休憩時間が取れないとき ― 労働基準法の休憩のきまり、取れなかった時間の賃金

オフィスで、机に向かって仕事をしている三人 労働

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必要な休憩の長さ、休憩といえない時間、取れなかった時間の賃金を解説します

会社は、労働時間が6時間を超える日は45分以上、8時間を超える日は1時間以上の休憩を、勤務の途中に与えなければなりません。

忙しくて休憩を取れずに働いた時間や、電話番をしながら過ごした昼休みは、休憩ではなく労働時間です。その時間の賃金が支払われていなければ、未払分を請求できます。

この記事の結論

  • 必要な休憩の長さは、その日の実際の労働時間で決まります。残業で8時間を超えた日は、合計1時間以上の休憩が必要です。
  • 休憩は勤務の途中に与え、自由に使わせなければなりません。電話や来客に備えて待機している時間は、休憩に当たりません。
  • 休憩を取れずに働いた時間は労働時間です。通常の労働時間制では、1日8時間又は週40時間を超えた分は25%以上の割増賃金の対象になります。

休憩の長さは、その日の労働時間で決まる

必要な休憩の長さは、その日の労働時間で決まります。最低限の長さは、労働基準法第34条第1項が定めています。

必要な休憩
6時間以下法律上の義務はない
6時間を超え8時間以下45分以上
8時間を超える1時間以上
1日の労働時間と、法律が求める休憩の最低限(労働基準法第34条第1項)

所定の休憩が45分の職場でも、残業をしてその日の労働時間が8時間を超えれば、休憩は合計で1時間以上必要になります。

管理監督者など労働基準法第41条に当たる人には、休憩の規定は適用されません。

休憩は勤務の途中に、自由に使える形で与える

休憩は、勤務の途中に与えなければなりません(労働基準法第34条第1項)。休憩を与えない代わりに早く帰らせても、休憩を与えたことにはなりません。

休憩時間は、労働者が自由に使える時間でなければなりません(労働基準法第34条第3項)。厚生労働省は、作業をせずに指示を待っている「手待時間」は休憩時間に含まないと説明しています。

休憩とはいえない時間の例

  • 昼休みに電話番や来客の対応を命じられ、席を離れられない時間
  • 休憩時間中に仕事を頼まれ、作業をした時間

休憩は何回かに分けて与えることもできますが、各回とも仕事から離れ、自由に使える時間でなければなりません。厚生労働省は、分けた1回がごく短いと、休憩と評価されないことがあると注意しています。

休憩は職場で一斉に与えるのが原則です(同条第2項)。労使協定がある場合や、運送業・物品の販売業・飲食店など省令で定める業種では、交代で取らせることができます(労働基準法施行規則第31条)。

取れなかった休憩の時間には賃金が発生する

休憩を取れずに働いた時間は労働時間なので、会社はその時間の賃金を支払わなければなりません。

通常の労働時間制では、その時間を加えて1日8時間又は週40時間を超えれば、超えた部分は時間外労働です(労働基準法第32条)。時間外労働には、通常の賃金の25%以上を上乗せした割増賃金が必要で、月60時間を超える部分は50%以上です(同法第37条第1項)。

休憩を取れた日休憩を取れなかった日
その日の労働時間8時間9時間
8時間を超えた時間なし1時間
超えた1時間の賃金―2500円以上(2000円×1.25)
例:通常の労働時間制で9時始業・18時終業、休憩1時間の予定で、休憩を取れなかった日(時給2000円、時間外労働が月60時間以内の場合)

変形労働時間制などを採っている職場では、時間外労働になる時間の数え方が変わります(同法第32条の2ほか)。常時10人未満の商店・飲食店などでは、週の上限を44時間とする特例もあります(労働基準法施行規則第25条の2)。

書類のそばに置かれた目覚まし時計
休憩を取れなかった日と時間を記録しておきます。

休憩を与えないことは労働基準法違反になる

必要な休憩を与えない会社は、労働基準法第34条に違反します。違反には、6か月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金が定められています(同法第119条第1号)。

違反の事実は、労働基準監督署に申告できます。会社は、申告したことを理由に、解雇その他の不利益な扱いをしてはなりません(同法第104条)。

労働基準監督署は、調査で法違反を認めれば会社に是正を指導します。労働者に代わって未払賃金を回収する機関ではありません。

休憩を取れなかった記録を残す

休憩を取れずに働いた時間の賃金を請求するときは、その時間に仕事をしていたことを示す記録が役立ちます。

残しておく記録の例

  • 休憩時間を定めた就業規則や労働契約書
  • 休憩時間中に仕事を指示されたメールやチャット
  • 休憩時間中に対応した日時と内容を書き留めたメモ

よくある質問

休憩時間が取れない職場は違法ですか。

労働時間が6時間を超える日に必要な休憩を与えなければ、労働基準法第34条に違反します。違反には刑罰が定められています。

6時間ちょうど働く日は、休憩がなくても違法ではありませんか。

法律が休憩を求めるのは、労働時間が6時間を超える場合です。6時間ちょうどまでなら、休憩がなくても労働基準法違反にはなりません。

休憩時間が取れなかったことは、どうやって証明しますか。

休憩時間中に仕事を指示されたメールやチャット、対応した日時と内容を書き留めたメモなどを残しておきます。


相談するときに用意するもの

相談するときに用意するもの

タイムカードなど、勤務した時間が分かる記録を用意してください。

本稿は一般的な制度の説明です。個別の事案については資料に基づく検討が必要です。

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