閲覧数 9回
児童買春と淫行条例の違い、年齢の認識、逮捕後の流れと示談の相手を解説します
18歳未満の相手に、性交等の見返りとしてお金などを渡し、又は渡す約束をして性交等をすると、児童買春の罪になります。
見返りを、本人ではなく仲介した人や保護者に渡した場合も含まれます。
この記事の結論
- 児童買春の法定刑は、拘禁刑なら最長5年、罰金なら最高300万円です。見返りのやり取りがなくても、都道府県の条例違反になることがあります。
- 児童買春の罪には、相手が18歳未満だと分かっていたことが必要です。18歳未満かもしれないと思いながら性交等をした場合も含まれます。
- 相手が18歳未満のとき、示談の相手は多くの場合、相手の親です。
成立する罪は、相手の年齢とお金の有無で変わる
18歳未満の相手との性行為で問題になる主な罪は、次の3つです。
| 成立する場面 | 刑罰 | |
|---|---|---|
| 児童買春(児童買春・児童ポルノ処罰法第4条) | 18歳未満の相手に、性交等の見返りとしてお金などを渡し、又は渡す約束をして性交等をしたとき | 5年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金 |
| 淫行の禁止(都道府県の条例。東京都の例) | 18歳未満の相手とみだらな性交等をしたとき。お金の受渡しがなくても対象になる | 2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 |
| 不同意性交等(刑法第177条第3項) | 16歳未満の相手と、刑法が定める性交等(性交、口腔性交など)をしたとき。相手が13歳以上なら、自分が5歳以上年上の場合 | 5年以上の有期拘禁刑 |
児童買春の「性交等」には、性交のほか、自分の性的好奇心を満たす目的で相手の性器などを触る行為も含まれます。
児童買春の罪は、相手が同意していないことを要件としていません。相手の同意があっても、見返りとしてお金などを渡して性交等をすれば成立します。
18歳以上だと信じていたときは、児童買春は成立しない
相手が18歳以上だと信じていた場合、児童買春の罪は成立しません。故意のない行為を処罰しないのが、刑法の原則だからです(刑法第38条第1項)。
児童買春・児童ポルノ処罰法第9条は、児童を使用する者が一定の罪を犯したとき、年齢を知らないことに過失があれば処罰を免れないと定めています。この規定に、児童買春の罪(第4条)は含まれていません。
ただし、「18歳未満かもしれない」と思いながら、それでも構わないと考えて性交等をした場合は、年齢を知っていたものとして扱われ得ます。これを未必の故意といいます。

条例では、年齢の扱いが都道府県ごとに違う
条例の中には、年齢を知らなかったことに過失があれば処罰する定めを置くものがあります。
東京都の条例にもこの定め(第28条)がありますが、淫行の禁止(第18条の6)は対象に含まれていません。対象に含める条例もあります。
最高裁判所は、福岡県の条例の「淫行」を、心身の未成熟に乗じた不当な手段による性交等や、相手を自分の性的欲望を満たすだけの対象として扱っているとしか見られない性交等と解しました(最高裁判所昭和60年10月23日大法廷判決・刑集39巻6号413頁)。
このため、婚約中の相手や、これに準じる真摯な交際関係にある相手との性行為は、淫行に当たらないと解されています。性交等の見返りとしてお金などを渡し、又は約束していた場合は、この考え方とは別に児童買春が問題になります。
発覚のきっかけと、逮捕された後の流れ
児童買春は、補導された児童の話やスマートフォンの記録から発覚することがあります。
逮捕された後、警察は、釈放しないときは48時間以内に検察官へ身柄を送ります。検察官は、受け取ってから24時間以内、かつ逮捕から72時間以内に、勾留の請求、起訴、釈放のいずれかをします。
起訴前の勾留の期間は、請求の日から10日以内です。やむを得ない事由があれば、裁判官は通算10日まで延長できます。
示談の相手は、多くの場合、相手の親
相手が18歳未満のときは、示談の交渉相手は多くの場合、親権者である親です。未成年者が親の同意なく結んだ示談は、後で取り消され得るからです(民法第5条)。
検察官は、起訴するかどうかを決めるとき、犯罪後の情況も考えます(刑事訴訟法第248条)。示談の成立は、早期の釈放や処分の軽減につながり得ます。
よくある質問
パパ活は犯罪になりますか。
相手が18歳未満で、性交等の見返りとしてお金などを渡し、又は約束して性交等をすれば、児童買春の罪になります。見返りのやり取りがなくても、都道府県の条例違反になることがあります。
相手が年齢をごまかしていた場合も罪になりますか。
18歳以上だと信じていたのであれば、児童買春の罪は成立しません。ただし、年齢を知らなかったことに過失があれば処罰する条例もあります。
相手が同意していれば罪にならないのではありませんか。
児童買春の罪は、相手が同意していても成立します。相手が16歳未満の場合は、不同意性交等の罪にもなり得ます(相手が13歳以上なら、自分が5歳以上年上の場合)。

弁護士への相談
警察は、逮捕した人に、弁護人を選任できることを告げなければなりません(刑事訴訟法第203条第1項)。
本稿は一般的な制度の説明です。個別の事案については資料に基づく検討が必要です。
