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経営不振という説明だけで、決まっていた賃金を自由に変更できるわけではありません
会社が給料を下げるには、労働契約上の根拠が必要です。業績が悪いという理由だけで、従来の賃金を一方的に減らせるわけではありません。本人の合意による変更なのか、就業規則の変更なのかを先に調べます。
この記事の結論
- 賃金の変更は本人との合意が原則です。
- 就業規則を変える方法では、変更の合理性と従業員への周知が必要です。
- 無効な減額なら、元の賃金と支給額との差額を請求できます。
まず、何を理由に減らしたのかを聞く
減額の理由と、根拠とする契約や規定を会社に尋ねてください。「全社員が対象だから」「社長が決めたから」という説明だけでは、賃金を変更できる根拠は分かりません。
基本給そのものを引き下げたのか、役職を外して手当をなくしたのかでも検討する規定が変わります。給与明細の総支給額だけでなく、どの項目が減ったのかを見ます。
| 本人との合意 | 就業規則の変更 | |
|---|---|---|
| 必要なもの | 本人が変更内容に合意したこと | 変更の合理性と、変更後の規則の周知 |
| 会社が示す資料 | 減額の提案内容・同意の経緯 | 新旧の賃金規程・必要性を説明する資料 |
同意書に署名を求められたとき
同意する前に、減額の金額、開始日、期間、元に戻る条件を説明してもらいます。会社から提案された段階と、本人が承諾して契約を変更した段階とは異なります。
署名があっても、常に有効な合意と決まるわけではありません。不利益の内容や程度、説明の仕方、本人が自由な意思で応じたかが検討されます。
既に署名した場合は、同意書だけでなく、その前後の説明メールや面談の記録も残します。「署名しなければ辞めてもらう」と言われた場合には、その具体的なやりとりも相談時に伝えます。

同意がなくても規則の変更で下がる場合
本人が同意していなくても、合理的な就業規則の変更が周知されれば、変更が認められる場合があります。この取扱いは、労働契約法第10条に定められています。
合理性の判断では、賃金がどれほど下がるか、変更の必要性、変更後の制度の内容を見ます。労働組合などとの交渉状況も含めて判断され、会社の必要性だけで決まりません。
会社から新しい賃金規程を示されたら、旧規程との差と、従業員に知らせた方法を調べます。規則に書き込んだという事実だけで、法律上の条件を満たすわけではありません。
無効な減額なら、働きながら差額を求める
減額に有効な根拠がなければ、従来の契約による賃金を請求できます。退職することが請求の条件ではなく、在職中も差額の支払を求められます。
減額を受け入れない場合は、同意しない旨と従来の条件で働く意思を、メールや書面で伝えます。支払われた給与を受け取る際にも、減額に同意した趣旨ではないことを伝える対応があります。
請求の準備には、労働条件通知書、雇用契約書、新旧の賃金規程を使います。減額前後の給与明細と振込記録を月ごとにそろえれば、どの月のどの賃金が不足しているかを示せます。
よくある質問
給料の減額に同意しないときはどうすればいい?
同意しない旨を会社へ伝え、減額の根拠と説明資料を求めます。就業規則の変更による減額であれば、本人の不同意だけで無効と決まるわけではありません。
赤字を理由に給与カットを告げられたら?
業績悪化だけで自由に下げられるわけではありません。本人との合意や、合理性と周知を備えた就業規則の変更など、賃金を変える根拠が必要です。
同意書にサインした後でも争える?
署名の有無に加え、不利益の説明や合意に至る経緯から検討します。署名だけを見て諦めず、提示された資料とやりとりを用意してください。

相談するときに用意するもの
雇用契約書、給与明細、新旧の賃金規程、減額の通知、同意書と説明メールを用意してください。
本稿は一般的な制度の説明です。個別の事案については資料に基づく検討が必要です。
