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産むかどうかの決め方、認知の手続、養育費の決め方を解説します
男性が中絶を強いることはできません。子が生まれたら、父との親子関係は認知で生じ、父は養育費を負担します。
この記事の結論
- 中絶ができるのは妊娠22週未満です。
- 男性が認知しなければ、子の側から家庭裁判所に認知調停を申し立てられます。
- 養育費の額は話合いで決め、まとまらなければ家庭裁判所の調停・審判で決めます。
産むかどうかは、妊娠した女性本人が決める
出産するか中絶するかは、妊娠した女性本人の意思で決めることです。
人工妊娠中絶ができるのは、妊娠22週未満(21週6日まで)です。母体保護法第2条第2項は、胎児が母体外で生命を保てない時期に行うものを人工妊娠中絶としています。
中絶は、母体保護法第14条の要件に当たる場合に、都道府県の医師会が指定した医師が行います。女性に配偶者がいるときは、原則としてその同意も必要です。
中絶の費用は、男女で半分ずつ負担するのが目安とされています。話合いで別の割合を決めることもできます。
中絶を強いられた場合や、妊娠を伝えた後に連絡を絶たれた場合の慰謝料は、別の記事「中絶したとき、相手の男性に慰謝料を請求できるか」で説明しています。
生まれた子と父との親子関係は、認知で生じる
母が別の男性と結婚しているときや、離婚から300日以内に生まれたときは、子は原則としてその夫や元夫の子と推定されます(民法第772条)。この記事は、そのような推定がない場合を前提に説明します。
母が結婚しておらず、ほかの男性の子と推定されない子は、父が認知するまで、法律上の父がいません。民法第779条は、父が子を認知できると定めています。
子は母の氏を名乗ります(民法第790条第2項)。認知されても、子が父の戸籍に入るわけではありません。
認知された子の親権者は、原則として母です。話合いで、父も一緒に親権者になることや、父だけを親権者にすることもできます(民法第819条第4項)。
| 届出による認知(任意認知) | 裁判所の手続による認知(強制認知) | |
|---|---|---|
| どのような場合 | 父が自分から認める | 父が認めない |
| 方法 | 父が役所に認知届を出す(民法第781条第1項) | 子の側から家庭裁判所に調停を申し立て、合意できなければ訴えを起こす |
| 出生前 | 母の承諾を得れば、出生前でも認知できる(胎児認知。民法第783条第1項) | - |
男性が認知しないときは、認知調停を申し立てる
認知調停は、子の側から男性を相手に申し立てます。子が幼いときは、法定代理人である母が子に代わって申し立てます。
認知の訴えを起こす前には、まず調停を申し立てるのが原則です(家事事件手続法第257条第1項)。
調停で子が男性の子であるという合意ができ、家庭裁判所が事実を調べて正当と認めれば、合意に相当する審判がされます(同法第277条第1項)。
親子関係を確かめるために、DNA鑑定をすることがあります。調停で鑑定をするときは、原則として申立人が費用を負担します。
調停で合意できなければ、認知の訴えを起こします。訴えは、父の死亡の日から3年を過ぎると起こせません(民法第787条)。
認知されると、出生の時にさかのぼって親子になる
認知の効力は、子の出生の時にさかのぼって生じます(民法第784条)。
父は子を扶養する義務を負い、養育費を負担します。認知された子は、父の相続人にもなります。
認知をすると、父の戸籍に、認知した日や子の氏名などが記載されます。男性の配偶者が戸籍を見れば、認知したことが分かります。

養育費は話合いで決め、まとまらなければ家庭裁判所で決める
認知した子の養育費は、離婚のときと同じく、まず父母の話合いで決めます(民法第788条、第766条第1項)。
話合いがまとまらなければ、子を育てている親が家庭裁判所に養育費請求調停を申し立てられます。調停が成立しなければ、審判で裁判官が決めます。
額は、裁判所が公表している養育費算定表を基準に、父母の年収と子の人数・年齢から決めるのが一般的です。
認知が令和8年4月1日以降で、認知の時から引き続き未成年の子を主に育てている親は、取決めの前でも、認知の日から法定養育費を請求できます。額は子1人当たり月額2万円です。
法定養育費は取決めまでの暫定的なもので、適正な額は話合いや家庭裁判所の手続で決めます。
男性に配偶者がいるとき
男性の配偶者は、不倫相手の女性に不貞行為の慰謝料を請求できることがあります。女性が、男性に配偶者がいると知っていたか、注意すれば知ることができた場合です。
不貞の時点で夫婦関係が既に破綻していたときは、原則として慰謝料は認められません。
不倫で妊娠・出産したことは、慰謝料を増やす事情として考慮されます。
男性が離婚するかどうかにかかわらず、認知が成立すれば、養育費を支払う義務が生じます。
よくある質問
不倫相手の子を認知しないことはできますか。
自分から認知しなくても、子の側から認知調停や認知の訴えを起こされ、親子関係が認められれば、認知の効力が生じます。
認知したら妻にばれますか。
認知をすると、父の戸籍に認知の事実が記載されます。配偶者が戸籍を見れば分かります。
妊娠中に認知してもらうことはできますか。
できます。胎児認知といい、母の承諾を得たうえで、母の本籍地の役所に届け出ます。

認知調停の申立てに必要な書類
申立書とその写しのほか、子と相手方の戸籍謄本(全部事項証明書)などが必要です。
本稿は一般的な制度の説明です。個別の事案については資料に基づく検討が必要です。

