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裁判で損害と認められる条件と、依頼前に確かめる点を解説します
探偵に払った調査費用は、不貞相手や配偶者に当然に請求できるものではありません。裁判で損害と認められるのは、調査が本当に必要だった場合などに限られます。
この記事の結論
- 探偵費用を請求するには、その費用が不貞行為と相当因果関係のある損害だといえる必要があります。裁判では、これを否定する判断が多く見られます。
- 認められても、支払った額の一部にとどまるのが通常です。
- 探偵業者には、公安委員会への届出と、契約前の書面による説明が法律で義務付けられています。
探偵費用は当然には請求できない
不貞行為の慰謝料は、不法行為による損害賠償として請求します。民法第709条は、わざと又は不注意で他人の権利や法律上守られる利益を害した人に、それで生じた損害の賠償責任を負わせています。
賠償の対象は、不貞行為と相当因果関係のある損害に限られます。探偵費用がこれに当たるかが争いになります。
裁判所は、不貞の疑いが生じたときに直ちに探偵を使うのが一般的とまではいえないとして、探偵費用を損害と認めないことが多くあります。探偵に頼むかどうかは、依頼した人自身が選んだことだと見られるためです。
認められやすい場合と認められにくい場合
まず問われるのは、探偵に頼まなければ不貞行為を立証できなかったといえるかどうかです。調査の範囲や費用の額が相当だったかも見られます。
| 認められやすい | 認められにくい | |
|---|---|---|
| 相手の態度 | 不貞を否定している | 当初から不貞を認めていた |
| ほかの証拠 | 調査のほかに不貞を立証できる証拠がない | 既に不貞を立証できる有力な証拠があった |
認められても支払った額の一部にとどまる
損害と認められる場合でも、支払った全額が認められることはまれです。
実務書には、認められても調査費用の1、2割程度にとどまるという記載があります。調査費用が、見込まれる慰謝料の額を上回らないよう考えておく必要があります。

依頼する前に確かめること
探偵の調査費用は、調査に使った時間や日数を基に計算されることが多く、数十万円から数百万円に及ぶこともあります。調べても何も出ないこともあります。
配偶者が相手と会う日時の見当が付くなら、その日に絞って頼めば費用を抑えられます。
探偵業を営む者は、営業所ごとに、所在地の都道府県公安委員会へ届け出なければなりません。探偵業の業務の適正化に関する法律第4条第1項が定めています。
契約の前後には、同法第8条により、探偵業者から次の書面を受け取ることになっています。
契約するときに受け取る書面
- 契約前:料金の概算額と支払時期、契約の解除などを説明する書面(同法第8条第1項)
- 契約後:調査の内容・期間・方法、料金の額と支払方法などを記した書面(同条第2項)
よくある質問
不倫の慰謝料と一緒に探偵費用も請求されたら、払わなければなりませんか。
探偵費用は、当然に支払うべき損害ではありません。裁判では、不貞行為と相当因果関係のある損害と認められないことが多くあります。
探偵の調査報告書は慰謝料請求の証拠になりますか。
配偶者と不貞相手がラブホテルに出入りする様子を鮮明に捉えた報告書などは、決定的な証拠となることも多いとされています。証拠として役立つことと、調査費用の賠償が認められることは別の問題です。
相手が浮気を認めた後に頼んだ調査の費用は請求できますか。
相手が不貞を認めていた場合は、調査の必要がなかったとして、認められにくくなります。

相談の前に用意するもの
探偵業者との契約書、領収書、調査報告書を用意してください。
本稿は一般的な制度の説明です。個別の事案については資料に基づく検討が必要です。
