証拠の確認から話合いと合意書までの順序
不貞慰謝料を求めるときは、先に証拠と請求先を整理します。話合いができる場合には、金額だけでなく、支払日や今後の請求の扱いまで合意します。折り合わなければ、裁判所の手続を検討します。
離婚の問題と、不貞相手への金銭請求は同じ手続ではありません。誰に何を求めるかを分けて考えることが、最初の作業になります。
この記事の結論
- 不貞慰謝料の請求は、交際の事実と証拠を整理し、請求先と求める内容を検討することから始めます。疑いと資料で確認できる事実を分けてください。
- 話合いで解決する場合には、慰謝料の総額だけでなく支払期限や方法も合意します。分割払いなら各回の額と期日、滞納した場合の扱いも決めます。
- 話合いがまとまらなければ訴訟などの手続を検討します。不貞相手への慰謝料請求は、配偶者との離婚の手続とは分けて考える必要があります。
最初に証拠と時期を整理する
最初に、不貞の事実を何で確認できるかを整理します。写真、メッセージ、当事者が事実を認めた書面などが検討の対象です。一つの資料だけでなく、内容と時期を組み合わせて読みます。
写真は編集前のデータを残し、撮影した時期や場所も記録します。メッセージについては、送受信した日時が分かる形を残します。不利に見えるやり取りを含め、前後の流れが分かることも大切です。
資料の集め方によっては、プライバシーの侵害など別の問題になります。証拠を増やすために他人の端末のロックを無断で解除する方法などを、自分の判断で進めないでください。
請求先と求める解決を整理する
配偶者に求めることと、不貞相手に求めることを分けます。離婚に伴う金銭問題の手続と、不貞相手への損害賠償請求の手続は別に検討します。
| 整理すること | 確認に使う資料 | |
|---|---|---|
| 不貞の経緯 | いつ誰がどのように交際したか | 写真や日時の分かるメッセージ |
| 解決する範囲 | 誰との何について合意するか | 既に交わした合意書 |
| 支払条件 | 総額と一括又は分割の方法 | 相手の提案と支払予定 |
話合いでは金額以外の条件も詰める
金額に折り合いがついても、支払方法まで決まらなければ条件はそろいません。一括なら支払日と振込先、分割なら各回の額や回数も決めます。送金手数料を誰が負担するかも記載します。
不貞相手だけと話し合う場合でも、支払後に配偶者へ負担の一部を求める問題があります。これを求償といいます。求償を放棄するかを、慰謝料の合意と併せて検討します。
解決した範囲を合意書に残す
合意書には、対象とした不貞行為と、支払条件を明記します。今後の接触を禁じる場合は、その範囲も具体的にします。何について今後の請求を終えるのかも記載します。
今後の請求を終える定めを清算条項といいます。未解決の問題を残すなら、その対象を条項から外します。「全て解決した」と広く記載する前に、残したい請求がないかを確認してください。
話合いが難しければ裁判所の手続を検討する
相手が責任や金額を争い、話合いで決められない場合は、訴訟などの利用を検討します。慰謝料請求は、損害賠償を求める民事訴訟の対象となります。
不貞相手への請求について、離婚調停と同じ手続になるわけではありません。求める金額や請求相手などを踏まえて、申立てをする裁判所と手続を確認します。
要点の整理
判断の前に整理する事項
- 証拠と不貞の時期を整理する
- 請求先と求める解決を決める
- 支払条件と請求を終える範囲を合意書に残す
よくある質問
不倫慰謝料を請求するときは何から始めますか。
不貞の内容と時期、確認できる証拠を整理します。そのうえで、誰に何を求めるかを検討します。
証拠はLINEだけでもよいですか。
やり取りの内容と時期が重要です。写真などほかの資料とのつながりも含めて、不貞の事実を裏付けるかを確認します。
慰謝料の示談では何を決めますか。
総額、支払期限、方法を決めます。接触禁止、求償の放棄、今後の請求を終える範囲なども必要に応じて検討します。
不倫相手への慰謝料請求も離婚調停ですか。
配偶者との離婚手続とは区別します。不貞相手への金銭請求は、請求相手と内容に合わせて手続を検討します。

具体的な経緯を整理して相談する
弁護士に相談するときは、交際の時期と内容が分かる資料、夫婦関係の経緯、既に交わした合意書を用意してください。
一般的な説明です。具体的な請求の可否と額は個別の資料により検討します。

