子どもに会わせてもらえないとき ― 面会交流(親子交流)の決め方、調停、守られないときの手段

曇り空の下、海辺の草地に並ぶ木のベンチ 離婚・男女問題

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話合い、家庭裁判所の調停・審判、履行勧告と間接強制まで解説します

面会交流は、まず父母の話合いで決め、まとまらなければ家庭裁判所の調停や審判で決めます。調停や審判で決めた内容が守られないときは、履行勧告や間接強制という手段があります。

この記事の結論

  • 面会交流の方法は父母の協議で決め、子どもの利益を最も優先して考えます。協議で決まらなければ、家庭裁判所が定めます。
  • 調停は、相手の住所地の家庭裁判所などに申し立てます。収入印紙は子ども1人につき1200円分です。成立しなければ審判に移ります。
  • 調停や審判で決めた内容が守られないときは、履行勧告や間接強制を利用できます。間接強制には、日時や受渡しの方法などの具体的な定めが必要です。

まず父母の話合いで決め、決まらなければ家庭裁判所が決める

子どもと離れて暮らす父又は母が子どもと会ったり連絡を取ったりすることを、一般に面会交流といいます。裁判所の案内では「親子交流」と呼んでいます。

離婚するときは、親子の交流を含め、子どもの監護に必要な事項を父母の協議で定めます(民法第766条第1項)。話し合う際は、何よりも子どもの利益を第一に考えることが法律で求められています。

父母の話合いがまとまらない場合や、話合い自体ができない場合は、家庭裁判所が決めます(同条第2項)。

離婚前に別居している場合も同じです。父母の協議で定め、調わなければ家庭裁判所が定めます(民法第817条の13第1項・第2項)。

家庭裁判所に調停を申し立てる

調停を申し立てられるのは、父又は母です。申立先は、相手の住所地の家庭裁判所か、父母が合意で定めた家庭裁判所です。

申立てに必要なもの(裁判所の案内による)

  • 収入印紙 子ども1人につき1200円分
  • 連絡用の郵便切手 金額は申し立てる裁判所ごとに異なります
  • 申立書とその写し1通
  • 子どもの戸籍謄本(全部事項証明書)などの添付書類

調停では、子どもの年齢や性格、生活の様子に配慮し、子どもの意向も尊重した取決めを目指します。

調停が成立しないときは、審判の手続に移ります(家事事件手続法第272条第4項)。審判では、裁判官が一切の事情を考えて判断します。

審判の手続では、家庭裁判所が、事実の調査のために、子どもとの交流を試しに行うよう促すことができます(家事事件手続法第152条の3第1項)。試しに交流することが子どもの心身の状態からみて適切でないときは、促しません。

卓上カレンダーの日付にペンで丸を付ける手元
面会の日時や頻度は、できるだけ具体的に取り決めます。

養育費の未払いだけでは、会わせない理由になりにくい

養育費と面会交流は別の問題として扱われます。養育費が払われないことだけを理由に、面会交流を拒むことは認められにくいとされています。

これに対し、子どもを虐待するおそれや、子どもを連れ去るおそれがある場合は、面会交流を制限する理由になり得ます。

子どもと暮らす親が、相手から暴力などの危害を受けるおそれがある場合も、制限の理由になり得ます。

取決めが守られないときの手段

調停や審判で決めた面会交流が守られないときは、家庭裁判所に履行勧告を申し出ることができます(家事事件手続法第289条第1項・第7項)。

履行勧告は、家庭裁判所が相手に取決めを守るよう勧告する制度です。家庭裁判所調査官が調査と勧告をすることがあります(同条第3項)。勧告に従わなくても罰則はありません。

履行勧告間接強制
申し出る先調停や審判をした家庭裁判所家庭裁判所
内容取決めを守るよう相手に勧告する守らないときに金銭を支払うよう相手に命じる
従わないとき罰則はない命じられた金銭の支払義務が生じる
調停や審判で決めた面会交流が守られないときの、履行勧告と間接強制の違い

間接強制は、取決めを守らないときに一定の金銭を支払うよう相手に命じ、守るよう促す方法です(民事執行法第172条第1項)。

間接強制を使うには、調停調書や審判に、相手が子どもを引き渡すなどの義務と、その中身が具体的に書かれている必要があります。いつ、どのくらいの間隔で会うか、1回に何時間会うか、どこでどう引き渡すかなどです。

参考・最高裁判所の決定

最高裁判所平成25年3月28日第一小法廷決定・民集67巻3号864頁は、面会交流を命じる審判に基づく間接強制について、この基準を示しました。

この事案では、月1回、第2土曜日の午前10時から午後4時までとし、受渡しの場所なども定めた審判について、間接強制の決定を維持しました。

子どもを強制的に連れてくる方法は、子どもへの負担が大きく、面会交流には適しないと考えられています。

守られない原因について話し合うため、もう一度調停を申し立てる方法もあります。正当な理由のない拒否が続くときは、慰謝料などの損害賠償を請求する方法もあります。

よくある質問

子どもが会いたくないと言っている場合はどうなりますか。

家庭裁判所は、子どもの意思を把握するよう努め、審判では年齢や発達の程度に応じて子どもの意思を考慮します(家事事件手続法第65条)。

子どもが会いたくないと言えば、間接強制はされませんか。

最高裁判所は、子どもが拒んでいることだけでは、審判に基づく間接強制を妨げないとしました。審判が子どもの心情等を踏まえてされているからです。審判の後に状況が変わったときは、新たな調停や審判を申し立てる理由になり得るとしています。

祖父母も孫との面会交流を求められますか。

祖父母と孫との交流も、子どもの利益のために特に必要と家庭裁判所が判断すれば、決めてもらえます(民法第766条の2第1項)。祖父母が自分で審判を申し立てられるのは、他に適当な方法がないときに限られます(同条第2項)。


相談の前に用意するもの

相談の前に用意するもの

調停を申し立てるときは、子どもの戸籍謄本(全部事項証明書)を取り寄せてください。申立書の書式と記入例は、裁判所のウェブサイトにあります。

本稿は一般的な制度の説明です。個別の事案については資料に基づく検討が必要です。

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