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証拠の残し方から、削除の申出、告訴の期限、慰謝料の請求までを解説します
法律が定める性的な画像を、写っている人が分かる形で、本人の同意なくインターネットで公開する行為は、リベンジポルノ防止法で処罰されます。
公開された画像は、サイトの運営者などに削除を求めることができ、投稿者には慰謝料を請求できます。
この記事の結論
- 交際中に撮らせた画像や、自分で撮って相手に送った画像も法律の対象です。公開した人には、最長3年の拘禁刑か、最高50万円の罰金が科されます。
- 削除を求める前に、ページのURLと、投稿日時やサイト名が写った画面の記録を残します。削除の申出は、サイトの運営者やプロバイダにします。
- この罪は告訴がないと起訴されず、告訴は犯人を知った日から6か月以内に限られます。
同意なく公開すれば、リベンジポルノ防止法の罪になる
性的な画像を、写っている人を特定できる形でインターネットに公開する行為は犯罪です。拘禁刑なら最長3年、罰金なら最高50万円の刑が科されます。
根拠は「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」第3条第1項で、リベンジポルノ防止法と呼ばれています。
画像を記録した写真などを多くの人に配ったり、誰でも見られる状態に置いたりした場合も、同じ刑罰です(同条第2項)。
他の人に公開させる目的で画像を渡した人も、1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処せられます(同条第3項)。
法律の対象になる画像(同法第2条第1項)
- 性交やそれに類する行為をしている姿
- 他人の性器などを触り、又は他人に性器などを触られている姿で、性欲を刺激するもの
- 裸や半裸で、性的な部位を特に見せる又は目立たせるように写り、性欲を刺激する姿
交際相手に撮らせた画像や、自分で撮って相手に送った画像も対象です。外れるのは、撮影者、本人、本人から受け取った人以外にも見られると分かったうえで、本人が自分の意思で撮影し、又は撮影を承諾した画像です。
削除を求める前に、証拠を残す
削除を求める前に、投稿の記録を残してください。
残しておくもの
- 画像が載っているページのURL
- 投稿日時、サイト名、アカウント名が写った画面の記録(スクリーンショット)
- 動画のときは、画面を録画したもの
- 相手から届いたメッセージや着信の履歴

サイトの運営者やプロバイダに削除を求める
画像が載ったサイトの運営者やプロバイダには、削除を申し出ることができます。多くのSNSや掲示板には、削除を申し出るフォームがあります。
運営者は、違法であることが明らかなら、すぐに削除することがあります。判断がつかないときは、投稿者に削除してよいかを問い合わせます。
リベンジポルノでは、本人が画像と被害の内容を示して削除を申し出た場合、運営者は投稿者に削除に同意するかを問い合わせることができます。
投稿者が問合せを受けた日から2日たっても反対しなければ、運営者は必要な範囲で削除しても、投稿者に賠償する責任を負いません(リベンジポルノ防止法第4条)。
| 通常の権利侵害 | リベンジポルノ | |
|---|---|---|
| この仕組みで免責の対象となる申出をする人 | 権利を侵害されたとする人 | 写っている本人(亡くなったときは配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹) |
| 問合せの後、投稿者の反対を待つ期間 | 問合せを受けた日から7日 | 問合せを受けた日から2日 |
総務大臣が指定した大規模なSNSなどの事業者は、公表した窓口で削除の申出を受けたら、原則7日以内に削除したかどうかを申出者に通知しなければなりません。削除しないときは、その理由も通知します。
運営者が削除に応じないときは、裁判所に削除の仮処分を申し立てる方法があります。
法務局も相談を受け付けており、人権侵害に当たると判断すれば、プロバイダなどに削除を要請します。電話の窓口は「みんなの人権110番」(0570-003-110)です。
投稿者の処罰を求めるには、6か月以内の告訴が必要
リベンジポルノ防止法の罪は、被害者の告訴がなければ起訴できません(同法第3条第4項)。
告訴は、犯人を知った日から6か月を過ぎるとできなくなります(刑事訴訟法第235条)。
警察庁は、拡散を防ぐため、できる限り早く最寄りの警察署などに相談するよう呼びかけています。
投稿者が分からないときは、発信者情報の開示を求める
匿名で投稿されたときは、サイトの運営者などに、投稿者の情報の開示を求めることができます(情報流通プラットフォーム対処法第5条)。
この法律は、以前のプロバイダ責任制限法が改正され、名前が変わったものです。
開示を受けるための基本の条件は、権利の侵害が明らかであることと、損害賠償の請求などのために情報が必要であることです。ログイン時の情報などには、追加の条件があります。
裁判所に申し立てて、開示を命じる決定を出してもらう手続もあります(同法第8条)。
投稿者には慰謝料を請求できる
画像を公開されて受けた精神的な苦痛について、投稿者に慰謝料を請求できます(民法第709条、第710条)。
慰謝料を請求する権利の時効は、原則として、損害と加害者を知った時から3年、公開された時から20年です(民法第724条)。
よくある質問
自分で撮って送った画像を公開された場合も、相手を処罰できますか。
画像の内容が法律の定めるものに当たれば、対象になります。相手だけに見せるつもりで撮った画像は、対象から外れません。
リベンジポルノの告訴はいつまでできますか。
犯人を知った日から6か月以内です。この期間を過ぎると、告訴ができなくなります。
画像をネットにばらまくと脅されています。まだ公開されていませんが、警察に相談できますか。
相談できます。警察庁は、公開される前でも、不安にさせる言動があればすぐに相談するよう呼びかけています。相手からのメッセージや着信の履歴は消さずに残してください。
リベンジポルノの画像の削除は、どこに頼めばよいですか。
まず、掲載されたサイトの運営者やプロバイダに申し出ます。法務局や警察にも相談でき、運営者が応じないときは裁判所の仮処分を使う方法があります。

相談の前に用意するもの
画像が載っているページのURL、画面の記録、相手とのやり取りの記録を用意してください。
本稿は一般的な制度の説明です。個別の事案については資料に基づく検討が必要です。

