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家庭裁判所での話合いの始め方から、離婚届の提出や離婚訴訟までを説明します
離婚調停は、家庭裁判所で調停委員会が間に入り、離婚とその条件を話し合う手続です。弁護士に頼まなくても、本人で申し立てられます。
この記事の結論
- 申立先は相手方の住所地の家庭裁判所です。夫婦が合意した別の家庭裁判所にも申し立てられます。
- 期日の当日は、呼出しを受けた本人が出向くのが原則です。
- 合意が調書に記載されると離婚が成立し、申立人は成立の日から10日以内に離婚届を出します。不成立で終わった後も離婚を求めるなら、離婚訴訟を起こします。
離婚調停で話し合えること
離婚調停では、離婚するかどうかと一緒に、離婚の条件も話し合えます。裁判所の案内では、親権、親子交流(面会交流)、養育費、財産分与、年金分割、慰謝料が挙げられています。
話合いを進めるのは調停委員会です。調停委員会は、裁判官1人と家事調停委員2人以上で組織されます(家事事件手続法第248条第1項)。
離婚するかどうか迷っている段階でも申し立てられます。話合いの結果、やり直す方向で調停を進めることもできます。
離婚の裁判を起こす前には、原則として、まず家庭裁判所に調停を申し立てなければなりません(同法第257条第1項)。例外として、相手方の行方が分からず話合いの場を設けられないときは、調停を経ずに裁判へ進めることがあります。
申立ての方法と費用
申立先は、相手方が住んでいる地域を受け持つ家庭裁判所です。夫婦が合意すれば、別の家庭裁判所にも申し立てられます(同法第245条第1項)。裁判所に納める費用は、収入印紙1200円分と連絡用の郵便料です。郵便料の額は裁判所ごとに違います。
裁判所の案内に挙がっている主な提出書類
- 申立書とその写し1通
- 夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)
- 事情説明書、子についての事情説明書、進行に関する照会回答書
- 年金分割も求めるときは、年金分割のための情報通知書(発行日から1年以内のもの)
- 送達場所等届出書
申立書の写しは、原則として家庭裁判所から相手方に送られます(同法第256条第1項)。相手方に読まれることを前提に書いてください。

期日の当日の流れ
期日は家庭裁判所が指定し、平日に開かれます。山口家庭裁判所は、最初に裁判所へ行く日を、申立てからおおむね1か月後と案内しています。
福岡・仙台などの家庭裁判所は、夫婦の待合室を別にすると案内しています。調停委員は、申立人と相手方から交互に事情を聴くほか、双方から同時に話を聴くこともあります。期日の終わりには、次回の日程と準備することを確かめます。
1回の長さは裁判所によって違います。大阪家庭裁判所の本庁は80分程度、仙台家庭裁判所はおおむね1時間30分から2時間程度と案内しています。
裁判所から呼ばれた本人が自分で出向くのが原則です。やむを得ない事情で本人が出頭できないときは、代理人を出頭させることができます(同法第258条第1項、第51条第2項)。
正当な理由がないのに出頭しなければ、家庭裁判所から5万円以下の過料を科されることがあります(同法第258条第1項、第51条第3項)。
ウェブ会議で期日に加わる方法もあります。夫婦の意見を聴き、家庭裁判所が適当と判断した場合に使われます(同法第258条第1項、第54条第1項)。相手方と顔を合わせることに不安があるときは、申立先の家庭裁判所に相談できます。
調停の主な終わり方と、その後の手続
| どうなるか | その後にすること | |
|---|---|---|
| 調停成立 | 合意が調書に記載された日に離婚が成立する | 申立人が10日以内に離婚届を出す |
| 調停不成立 | 離婚は成立しないまま、調停が終わる | 離婚を求めるなら離婚訴訟を起こす |
| 調停に代わる審判 | 家庭裁判所が審判で解決を示す | 不服なら2週間以内に異議を申し立てる |
申立人は、調停が終わるまでであれば、申立てを取り下げることもできます。ただし、調停に代わる審判がされた後は取り下げられません(同法第273条第1項、第285条第1項)。
合意できたとき(調停成立)
合意が調書に記載されると調停が成立し、その記載は確定判決と同じ効力を持ちます(同法第268条第1項)。離婚の日は、調停が成立した日です。
戸籍に載せるには、市区町村役場への届出が必要です。申立人は、成立の日を1日目として10日以内に、調停調書の謄本を付けて離婚届を出します。
この離婚届には、相手方の署名押印も証人も要りません。10日の間に申立人が届けないときや、調停条項に「相手方の申出により調停離婚する」と書かれたときは、相手方も届け出られます。
婚姻のときに姓を変えた人が今の姓を使い続けたいときは、離婚の日から3か月以内にその届出をします(民法第767条第2項、戸籍法第77条の2)。
年金分割の割合を決めたときは、離婚後に年金事務所などへ請求の手続をします。この手続をしないと、年金は分けられません。
ウェブ会議で離婚の調停を成立させることはできますが、電話会議の方法では成立させられません(家事事件手続法第268条第3項)。
合意できないとき(不成立・調停に代わる審判)
合意が成立する見込みがないときは、調停委員会は調停を不成立として終わらせることができます(家事事件手続法第272条第1項)。調停委員会が出席を働き掛けても相手方が出席しないときも、不成立で終わることになります。
不成立の後も離婚を求めるなら、離婚訴訟を起こします。不成立の通知を受けた日から2週間以内に訴えを起こすと、調停を申し立てた時に訴えを起こしたものとみなされます(同法第272条第3項)。
民法第770条第1項は、離婚の訴えを起こせる場合を4つに限っています。不貞な行為、悪意の遺棄、3年以上の生死不明、その他婚姻を継続し難い重大な事由です。
調停が成立しない場合でも、家庭裁判所が相当と認めるときは、調停に代わる審判をすることがあります(家事事件手続法第284条第1項)。
この審判に不服があるときは、告知を受けた日から2週間以内に異議を申し立てます。適法な異議があると、審判は効力を失います(同法第286条第1項・第2項・第5項、第279条第2項・第3項)。
よくある質問
離婚調停の費用はいくらかかりますか。
裁判所に納めるのは、収入印紙1200円分と連絡用の郵便料です。郵便料の額は裁判所ごとに違い、切手で納めるほか、保管金として電子納付することもできます。
離婚調停は弁護士なしでもできますか。
できます。弁護士に依頼していなくても調停の手続ができると、裁判所も案内しています。
離婚調停で相手と顔を合わせますか。
裁判所の案内では、ウェブ会議を使うなどして、夫婦が裁判所の中で顔を合わせないよう工夫して進めることも少なくないとされています。DVなどで不安があるときは、申立先の家庭裁判所に相談できます。
離婚調停に相手が来ないとどうなりますか。
調停委員会は相手方に出席を働き掛けます。それでも相手方が出席しないときは、調停は不成立で終わることになります。

相手方の住所が分からないとき
申立先は、原則として相手方の住所で決まります。相手方の住所が分からないときは、戸籍の附票の写しを取って住民票上の住所を調べる方法があります。
本稿は一般的な制度の説明です。個別の事案については資料に基づく検討が必要です。
