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起訴状が届いてから判決、控訴の期限までを順に説明します
検察官が公判を請求して起訴すると、公開の法廷で刑事裁判が開かれ、最後に判決が言い渡されます。罰金などを求める略式の手続では、法廷は開かれず、簡易裁判所が略式命令で刑を科します。この記事では、法廷が開かれる場合の手続の順番と、判決後の扱いを説明します。
この記事の結論
- 勾留されたまま起訴されると、勾留は続きます。起訴の後は、保釈を請求できます。
- 在宅のまま起訴された人も、原則として公判の日に裁判所へ出頭しなければなりません。
- 法廷では、本人の確認、起訴状の朗読、黙秘権の告知、起訴状への意見の陳述、証拠調べ、論告・求刑、弁論、最終陳述の順に進みます。
- 判決に不服があるときは、言渡しの翌日から数えて14日以内に控訴できます。
起訴されると、裁判所から起訴状が届く
起訴は、検察官が裁判所に起訴状を出して、刑事裁判を求めることです。起訴された人は、法律上「被告人」と呼ばれます。
裁判所は、原則として、起訴状の写し(謄本)を、遅れることなく被告人に送ります。起訴状には、被告人を特定する事項、罪となる事実(公訴事実)及び罪名が書かれています。
公判の日(公判期日)は裁判長が決め、被告人を呼び出します。日程は検察官と弁護人にも知らされます。

勾留されたままか、在宅のままかで生活が変わる
| 勾留されたまま起訴 | 在宅のまま起訴 | |
|---|---|---|
| 起訴の後 | 勾留が続く。期間は起訴の日から2か月。特に必要なときは1か月ごとに更新でき、一部の事件を除き更新は1回まで | 身柄を拘束されないまま、公判の日に裁判所へ出頭する |
| 実刑判決を受けたとき | 勾留が続く | 通常は直ちには収容されず、判決が確定した後に検察官から呼び出される |
勾留が続く場合は、本人、弁護人、配偶者、親や子、きょうだいなどが保釈を請求できます。保釈は、保証金を納めることなどを条件に、勾留中の被告人を釈放する制度です。
在宅の場合も、公判の日には出頭が必要です。被告人が出頭しないと、法定刑が軽い事件などの例外を除き、法廷を開けません。
正当な理由なく呼出しに応じないときは、裁判所が被告人を強制的に連れて来ること(勾引)ができます。
弁護人を付ける
起訴された後、お金がないなどの理由で弁護士を頼めないときは、裁判所に国選弁護人を付けるよう請求できます。
死刑、無期又は上限が3年を超える拘禁刑が定められた罪の事件は、弁護人がいないと審理を進められません。弁護人がいなければ、裁判長が職権で付けます。
本人や家族が選ぶ私選弁護人と、裁判所が選ぶ国選弁護人とで、弁護人としての役割は変わりません。
法廷では、この順番で進む
第1回公判の冒頭で行う手続
- 人定質問:裁判官が名前や生年月日、住所などを聞き、法廷にいる人が起訴された本人で間違いないかを確かめます。
- 起訴状の朗読:検察官が起訴状を読み上げ、何が裁かれるのかを示します。
- 黙秘権の告知:裁判官が、ずっと黙っていることも、個々の質問に答えないこともできると告げます。
- 被告事件についての陳述:被告人と弁護人が、起訴状の内容についての意見を述べます。争わないときは「間違いありません」と答えるのが一般的です。
証拠調べの最初に、検察官は、これからどの事実を証拠で示すのかを説明します(冒頭陳述)。そのうえで、調べてほしい証拠を裁判所に請求します。
裁判所は、被告人側の意見を聴いてから、どの証拠を調べるかを決めます。検察官の立証が終わると、被告人側が証拠を出します。
調べる証拠は、人(証人)、書類、物に分かれます。被告人は、質問に答えず黙っていることもできます。
証拠を調べ終えると、検察官が、証拠から認められる事実と当てはまる法律について意見を述べます(論告)。あわせて、どの程度の刑が相当かも述べます(求刑)。続いて弁護人が意見を述べ(弁論)、最後に被告人も意見を述べられます(最終陳述)。
ここで審理が終わり(結審)、判決は法廷で言い渡されます。
判決までの期間は、罪を認めるか争うかで大きく違う
| 裁判所の受付から終わるまでの平均 | |
|---|---|
| 全体 | 約3.9か月 |
| 自白事件 | 約3.3か月 |
| 否認事件 | 約11.4か月 |
最高裁判所の第11回の検証報告書の数字です。自白事件は、起訴された事実を全て認め、正当防衛のような犯罪の成立を否定する事情も、法律上刑を軽くする事情も主張しなかった事件です。否認事件は、事実の全部又は一部を争ったり、最後まで黙秘したりした事件などです。
罪を争わない軽い事件なら、法廷での審理にかかる時間は、合わせて30分から1時間程度のことが多いです。
事案が明白で軽い事件では、本人の同意などを条件に、検察官が即決裁判手続を申し立てることがあります。この手続では、公判が開かれたその日に、できる限り判決が言い渡され、拘禁刑には必ず執行猶予が付きます。
ただし、即決裁判手続の判決に対しては、判決で示された罪となる事実の認定が誤っていることを理由に、控訴することはできません。
判決の後に起きること
罪を犯したことが証拠から間違いないと判断されれば有罪、確信を持てなければ無罪となります。有罪のときは、刑を免除する場合を除き、刑が言い渡されます。執行猶予を付けるときも、判決の中で言い渡されます。
勾留中でも、無罪、刑の全部の執行猶予、罰金などの判決が言い渡されると、勾留状は効力を失います。実際には、いったん拘置所などに戻り、所持品を受け取ってから釈放されます。
保釈中に実刑判決を受けると、保釈は効力を失います。実務では、裁判所の中でそのまま収容の手続がとられるのが通常です。
一審の判決に納得できないときは、高等裁判所へ控訴して判断を求められます。控訴できる期間は14日で、言渡しの日の翌日から数えます。期限の日が土曜日、日曜日、祝日や振替休日などの休日又は12月29日から1月3日までの日に当たるときは、これらの日が明けた最初の日が期限になります。
判決書の写し(判決謄本)は自動的には届かず、交付の申請が必要です。
よくある質問
刑事裁判は誰でも傍聴できますか。
憲法第82条第1項は、裁判の対審と判決を公開の法廷で行うと定めています。そのため、原則として誰でも傍聴できます。
刑事裁判と民事裁判の違いは何ですか。
刑事裁判は、検察官が起訴した被告人について、有罪か無罪かと刑を決める手続です。民事裁判は、お金の貸し借りなど個人や会社の間の争いを解決する手続です。
在宅のまま起訴された場合も、国選弁護人を頼めますか。
頼めます。刑事訴訟法第36条は、勾留されているかどうかを区別せず、お金がないなどの事情があれば、起訴された人に国選弁護人の請求を認めています。

相談するときに用意するもの
弁護士に相談するときは、裁判所から届いた起訴状の写しと呼出状を用意してください。
本稿は一般的な制度の説明です。個別の事案については資料に基づく検討が必要です。
