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日数の決まりから、退職前に残りを使い切る方法まで解説します
有給休暇は、働く人が日を指定すれば、会社の承認がなくても取れるのが原則です。退職が決まった後も、残りの有給休暇を退職日までの勤務日に充てられます。
この記事の結論
- 雇入れから6か月続けて勤め、出勤すべき日の8割以上出勤すれば、有給休暇が与えられます。週30時間以上又は週5日以上の契約の人は10日で、勤続6年6か月以上で20日になります。
- 会社が休暇を別の日に変えられるのは、事業の正常な運営を妨げる場合だけです。退職日までの勤務日を全て休暇に充てるときは、別の日に移せないため、原則として断れません。
- 退職時に残った有給休暇の買取りは、法律上の会社の義務ではありません。
有給休暇の日数は勤続年数で決まる
雇入れの日から6か月続けて勤め、その間の出勤すべき日の8割以上出勤した人には、有給休暇が与えられます(労働基準法第39条第1項)。契約で決まった労働時間が週30時間以上の人や、決まった労働日が週5日以上の人には、10日が与えられます。
その後も、直前の1年間に出勤すべき日の8割以上出勤していれば、勤続に応じて日数が増えます。パートやアルバイトにも有給休暇があります。所定労働時間が週30時間未満で、所定労働日数が週4日以下の人は、日数が少なくなります。
| 決まった労働時間が週30時間以上又は労働日が週5日以上の人 | 決まった労働日が週4日で労働時間が週30時間未満の人 | |
|---|---|---|
| 6か月 | 10日 | 7日 |
| 1年6か月 | 11日 | 8日 |
| 2年6か月 | 12日 | 9日 |
| 3年6か月 | 14日 | 10日 |
| 4年6か月 | 16日 | 12日 |
| 5年6か月 | 18日 | 13日 |
| 6年6か月以上 | 20日 | 15日 |
決まった労働時間が週30時間未満で労働日が週3日以下の人にも、より少ない日数が定められています(労働基準法施行規則第24条の3)。
会社が日を変えられるのは「事業の正常な運営を妨げる場合」だけ
会社は、働く人が請求した時季に有給休暇を与えなければなりません。請求どおりに休ませると事業の正常な運営を妨げる場合に限り、別の時季に与えることができます(労働基準法第39条第5項)。
これを時季変更権といいます。休暇を取らせないことを認める制度ではなく、別の日に休ませることが前提です。
厚生労働省は、妨げる場合の例として、年末など特に忙しい時季の請求や、同じ時期に請求が重なり全員には与えにくい場合を挙げています。
会社には、できるだけ指定どおりに休めるよう、状況に応じて配慮することが求められると解されています。

時季変更の要件がないのに休暇を与えないことは、同条に違反します。違反には、6か月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金の定めがあります(労働基準法第119条第1号)。
休む理由を会社に伝える必要はない
有給休暇をどう使うかは働く人の自由で、会社に利用目的を告げる義務はないと解されています。
申請書に理由の欄があっても、理由を書かなかったことは、取得を断る根拠になりません。
退職前に残りの有給休暇を使い切れる
退職日の後には休暇を移す日がありません。そのため、退職日までの残りの勤務日を全て休暇に充てると請求されたときは、会社は時季変更権を使えません。
有給休暇の権利は、退職日をもって消えます。使い切りたいときは、退職日までのどの勤務日を休暇にするかを指定して請求します。
引継ぎのために退職日を延ばしてほしいと会社から打診されることがあります。応じるかどうかは、働く人が決めることです。
買取りは法律上の義務ではない
有給休暇は休ませるための制度です。あらかじめ買い取って休ませない取扱いは、原則として認められません。
一方、退職時に使い切れずに残った分を、会社が任意に買い取ることは差し支えないとされています。ただし、法律上、会社に買取りの義務はありません。
年5日の取得は会社の義務
法律上与えられる有給休暇が年10日以上の人には、与えられた日から1年以内に5日を取らせる義務が会社にあります(労働基準法第39条第7項)。本人が自分で取った日数や、労使協定による計画的付与の日数は、この5日から差し引かれます。ただし、時間単位で取った分は差し引かれません。
有給休暇を取った人の賃金を減らすなど、取得を理由に不利に扱わないよう、会社に求める規定もあります(労働基準法附則第136条)。
よくある質問
使わなかった有給休暇はいつ消えますか。
有給休暇の権利は、与えられた日から2年で時効により消えます。使い切れなかった分は翌年度に繰り越せます。
有給休暇を取った日の給料はいくらですか。
就業規則などの定めにより、平均賃金か、所定の時間働いた場合の通常の賃金が支払われます。書面の労使協定で、健康保険の標準報酬月額の30分の1に当たる額を支払うと定めた場合は、その額が支払われます。
有給休暇は時間単位で取れますか。
時間単位の取得について書面の労使協定があり、その対象となる人は、協定で定めた年5日以内の日数を時間単位で取れます(労働基準法第39条第4項)。

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本稿は一般的な制度の説明です。個別の事案については資料に基づく検討が必要です。

