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話合い・調停・裁判の違い、残しておく記録、慰謝料の目安を解説します
相手が離婚に同意すれば、話合いや調停で離婚でき、離婚の理由は問われません。
相手が拒んで裁判になったときは、モラハラによって夫婦関係が破綻し、修復できない状態になっているかが問われます。
この記事の結論
- 協議離婚と調停離婚は夫婦の合意で成立します。モラハラを証明できなくても、相手が応じれば離婚できます。
- 裁判では、民法第770条第1項第4号の「婚姻を継続し難い重大な事由」に当たるかが判断されます。証拠がない場合や言動が軽い場合は、認められにくいとされています。
- 録音、LINEやメール、日時を書いた日記やメモ、診断書、相談機関への相談記録を残しておきます。
- 慰謝料の目安を数十万円から300万円程度とする法律事務所が多く、期間や悪質さ、心身への影響で変わります。
相手が同意すれば、理由を問わず離婚できる
夫婦は、話合いで離婚することができます(民法第763条)。家庭裁判所の調停も、夫婦が合意すれば離婚が成立します。
モラハラの証拠がそろっていなくても、相手が応じれば離婚できます。
話合いで合意できないときは、家庭裁判所に調停を申し立てます。離婚の裁判を起こす前には、原則として調停を経る必要があります(家事事件手続法第257条第1項)。調停でも合意できないときは、裁判で離婚を求めます。
| 相手の同意 | 離婚の理由 | |
|---|---|---|
| 協議離婚(話合い) | 必要 | 問われない |
| 調停離婚(家庭裁判所) | 必要 | 問われない |
| 裁判離婚(判決) | 不要 | 民法第770条第1項の事由が必要 |
裁判では、夫婦関係が破綻しているかが問われる
裁判で離婚できる場合は、民法第770条第1項が定めています。モラハラという言葉は、条文にはありません。
モラハラは、同項第4号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に当たるかで判断されます。モラハラによって夫婦関係が破綻し、修復できない状態であれば、これに当たり得ます。
裁判で離婚が認められにくいとされる場合
- モラハラの事実を示す証拠がない
- 言動の程度が軽く、回数も少ない
別居が長く続いていることも、夫婦関係が破綻していると判断される事情の一つになります。
精神的な暴力とされる言動の例
内閣府男女共同参画局は、配偶者からの精神的な暴力の例として、次のような言動を挙げています。
精神的な暴力の例(内閣府男女共同参画局の案内から抜粋)
- 大声で怒鳴る
- 「誰のおかげで生活できるんだ」などと言う
- 実家や友人との付き合いを制限し、電話や手紙を細かく調べる
- 何を言っても無視して、口をきかない
- 人前でばかにしたり、命令口調で話したりする
- 生活費を渡さない(経済的な暴力に分類されることもあります)
同局は、これらの全てが配偶者暴力防止法の「配偶者からの暴力」に当たるとは限らないとも注記しています。
証拠として残しておく記録
家庭内の言動は外から見えにくいため、記録を残しておくことを多くの法律事務所が勧めています。
法律事務所が証拠として挙げている主なもの
- 暴言を録音・録画したデータ
- 暴言や人格を否定する内容のLINE・メール
- いつ、どこで、何を言われたかを書いた日記やメモ
- 心療内科・精神科の診断書や通院の記録
- 公的な相談機関に相談した記録
LINEやメールは消さずに残します。送信者と日時が分かる形で画面を保存し、別の場所にも控えておきます。
日記やメモには、感想だけでなく、日時や言われた言葉などの事実を具体的に書きます。

慰謝料は数十万円から300万円程度が目安
モラハラが不法行為に当たれば、受けた精神的苦痛について慰謝料を請求できます(民法第709条・第710条)。
モラハラの期間や回数、悪質さ、うつ病などの発症、婚姻期間の長さ、子への影響などで金額は変わります。
離婚の訴えを起こすときは、離婚の原因となった事実による慰謝料の請求も、同じ訴えで家庭裁判所に起こせます(人事訴訟法第17条第1項)。
慰謝料の請求には時効があります(民法第724条)。離婚に伴う慰謝料は、離婚が成立してから3年が目安とされています。
相談窓口と別居中の生活費
「#8008」に電話すると、最寄りの都道府県の配偶者暴力相談支援センターにつながります。内閣府は、精神的な暴力に当たる言動も相談の対象となり得るとしています。
別居中の生活費は、婚姻費用として相手に分担を求めることができます(民法第760条)。
よくある質問
モラハラの証拠がないと離婚できませんか。
相手が同意すれば、話合いや調停で離婚でき、証拠は要りません。相手が拒んで裁判になると、証拠がなければモラハラの事実を認めてもらうのは難しくなります。
モラハラの慰謝料の相場はいくらですか。
法律事務所の多くは数十万円から300万円程度を目安に挙げています。
モラハラを理由に、いきなり離婚裁判を起こせますか。
原則としてできません。裁判を起こす前に、家庭裁判所に調停を申し立てる必要があります(家事事件手続法第257条第1項)。
モラハラの慰謝料はいつまで請求できますか。
時効があり、離婚の成立から3年がひとつの目安です(民法第724条)。

弁護士に相談するときに用意するもの
録音、LINEやメールの画面、日記やメモ、診断書など、手元にある記録を用意してください。
本稿は一般的な制度の説明です。個別の事案については資料に基づく検討が必要です。

