飲酒運転の罰則 ― 酒気帯び運転と酒酔い運転の違い、罰金と免許の点数、同乗者の責任

車の運転席から、山あいの道の先を見ている 刑事事件

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基準値、刑罰、免許の処分、車や酒を出した人と同乗者の責任を解説します

飲酒運転は、アルコールの量と酔いの程度によって、酒気帯び運転と酒酔い運転に分かれます。刑罰とは別に、免許の停止や取消しも受けます。

この記事の結論

  • 酒気帯び運転は、呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上で、酒酔い運転に当たらないときに成立します。刑は3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です。
  • 酒酔い運転の刑の上限は、拘禁刑5年、罰金100万円です。呼気1リットルにつき0.5ミリグラム以上か、酔って正常な運転ができないおそれがあれば当たります。
  • 免許は、前歴などがなければ、酒気帯び運転で停止90日又は取消し、酒酔い運転で取消しと欠格期間3年です。
  • 車や酒を提供した人や頼んで同乗した人も、運転者が酒酔い運転か、罰則の対象となる酒気帯び運転をすれば処罰されます。

酒気帯び運転と酒酔い運転の違い

どちらに当たるかは、体に残るアルコールの量と、酔いの程度で決まります。酒酔い運転の方が刑罰は重くなります。

酒気帯び運転酒酔い運転
当たる状態呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上0.5ミリグラム未満(酒酔い運転に当たるときを除く)呼気1リットルにつき0.5ミリグラム以上、又はアルコールの影響で正常な運転ができないおそれがある状態
刑罰拘禁刑3年以下又は罰金50万円以下拘禁刑5年以下又は罰金100万円以下
条文道路交通法第117条の2の2第1項第3号道路交通法第117条の2第1項第1号
運転した本人の刑罰(酒気帯び運転と酒酔い運転の比較)

酒酔い運転の数値の基準は、令和8年7月21日に施行された道路交通法の改正で設けられました。

基準値に届かなくても、飲んだら運転できない

道路交通法第65条第1項は、酒気を帯びて車両等を運転することを、数値にかかわらず禁じています。

深夜まで飲酒すると、朝になってもアルコールが抜けきらないことがあります。警察庁も、そうした朝は運転しないよう求めています。

免許の点数と処分

刑罰とは別に、住所地の公安委員会が、免許の停止や取消しの処分をします。

基礎点数処分
酒気帯び運転(呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上0.25ミリグラム未満)13点免許停止90日
酒気帯び運転(呼気1リットルにつき0.25ミリグラム以上)25点免許取消し、欠格期間2年
酒酔い運転35点免許取消し、欠格期間3年
飲酒運転の基礎点数と免許の処分(前歴やほかの累積点数がない場合)

欠格期間とは、免許を取り消された人が、免許を取り直せない期間のことです。

免許の処分は、刑事手続とは別に進みます。検察官が不起訴にした場合でも、免許の処分を受けることがあります。

駐車場と道路を上から見た様子
免許の処分は、刑罰とは別に公安委員会が決めます

車を貸した人、酒を出した人、同乗した人も処罰される

道路交通法第65条は、運転する人のほか、周りの人の行為も禁じています。刑罰の重さは、運転者が酒酔い運転か酒気帯び運転かで変わります。

運転者が酒酔い運転運転者が酒気帯び運転
車両を提供した人拘禁刑5年以下又は罰金100万円以下拘禁刑3年以下又は罰金50万円以下
酒類を提供した人拘禁刑3年以下又は罰金50万円以下拘禁刑2年以下又は罰金30万円以下
頼んで同乗した人拘禁刑3年以下又は罰金50万円以下拘禁刑2年以下又は罰金30万円以下
運転者以外の人の刑罰(運転者の状態による違い)

車両の提供は、酒気を帯びていて飲酒運転をするおそれがある人に、車を貸すなどして運転できるようにすることです。酒類の提供は、飲酒運転をするおそれがある人に、酒を出すことです。いずれも、相手が実際に飲酒運転をした場合に処罰されます。

同乗者が処罰されるのは、運転者が酒気を帯びていると知りながら、自分を送るよう頼んで同乗し、運転者が実際に飲酒運転をした場合です。営業中のタクシーやバスなどに乗る場合は除かれます。

同乗者に酒酔い運転の欄の重い刑が科されるのは、運転者が酒に酔った状態だと知っていた場合です。

呼気検査を拒むと処罰される

車に乗っている人や乗ろうとしている人に飲酒運転のおそれがあると認められるとき、警察官は呼気の検査をすることができます。

この検査を拒んだり妨げたりすると、3か月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の対象になります。

事故で人を死傷させたときは、さらに重い罪になる

アルコールの影響で正常な運転が困難な状態で自動車を走らせ、人を負傷させると、危険運転致傷罪で15年以下の拘禁刑です。

人を死亡させた場合は、危険運転致死罪で1年以上の有期拘禁刑です。呼気中のアルコール濃度が1リットルにつき0.5ミリグラム以上の場合も、正常な運転が困難な状態に含まれます。

飲酒で正常な運転に支障が出るおそれがある状態で運転し、不注意で人を死傷させたときは、その後の行為も処罰されます。影響を隠そうと更に酒を飲んだり、現場を離れて濃度を下げたりすると、12年以下の拘禁刑の対象です。

検挙された後の手続

初犯で事故のない酒気帯び運転は、公判を開かずに略式命令で罰金を科す略式手続で終わることが多くあります。

罰金であっても、刑が確定すれば前科になります。

よくある質問

酒気帯び運転の基準値はいくつですか。

呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上、又は血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム以上です。

自転車の飲酒運転にも罰則がありますか。

あります。自転車の酒気帯び運転も、自動車と同じく3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の対象です。

お酒を飲んでから何時間たてば運転できますか。

一律の時間はありません。警察庁は、アルコールを分解する力には個人差があるとしています。体にアルコールが残っているうちは運転できません。


弁護士に相談するときに用意するもの

弁護士に相談するときに用意するもの

警察や検察庁から受け取った書面と、運転免許証を用意してください。

本稿は一般的な制度の説明です。個別の事案については資料に基づく検討が必要です。

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