在宅事件はどう進むのか ― 呼出しから処分の確認まで

湖と山の上に広がる夕暮れの空 刑事事件

逮捕されていなくても捜査と処分は続きます

逮捕されずに帰宅できたら、事件は終わったのでしょうか。在宅事件は、身体を拘束されないまま捜査や手続が進む事件です。

釈放されて在宅になった場合も、不起訴が決まったとは限りません。呼出し、検察官の判断、届いた書類の確認を順に考えます。

この記事の結論

  • 在宅事件は、身体を拘束されずに進む刑事事件です。逮捕されていないことや釈放されたことだけで、不起訴や無罪が決まったと判断することはできません。
  • 警察などの取調べや資料収集の後、検察官による起訴・不起訴の判断が問題になります。検察官へ事件が送られることと、有罪判決を受けることは別です。
  • 処分が分からないときは、呼出しの有無だけで事件の終わりを推測せず、処分状況を確認します。届いた書類や連絡を保管し、弁護士と確認してください。

在宅は身体を拘束しないまま進むこと

初めから逮捕されない事件も、逮捕後に釈放されて捜査が続く事件もあります。在宅になったことと、事件について最終の判断が出たことを分けて考えてください。

現在は拘束されていなくても、その後に逮捕が問題になる可能性はあります。疑われている内容や捜査の状況を弁護士に伝え、対応を検討します。

呼出しと取調べの内容を確認する

警察や検察から出頭を求められ、取調べを受けることがあります。日時、場所、担当者、どの事件についての連絡かを整理してください。

逮捕又は勾留されていない被疑者は、取調べのための出頭を断ったり、出頭後に退去したりできます。刑事訴訟法第百九十八条1項のただし書に定められています。

ただし、その権利を説明することと、その後も逮捕されないと保証することは別です。日程や対応に不安がある場合は、連絡内容を伝えて弁護士に相談してください。

白い机に置いたメモ帳と鉛筆
疑問と確認した内容を書き留めて相談します。

送致と検察官の処分を区別する

司法警察員は、犯罪を捜査したときは、法律上の例外などを除き事件を検察官へ送ることとされています。在宅のまま事件が送られても、その時点で起訴や有罪が決まるわけではありません。

検察官は、捜査の結果を踏まえて、起訴するかどうかを判断します。必要に応じて、検察でも取調べが行われます。

段階又は処分何を意味するか
検察官への送致事件を検察官へ送る段階
不起訴検察官が起訴しない判断
公判請求通常の裁判を求めて起訴する
略式命令の請求条件を満たす事件で書面審理による命令を求める
処分と裁判の違い

起訴されたら裁判の手続を確認する

在宅のまま起訴される場合もあります。通常の裁判に進む場合は、起訴状謄本などの書類を確認し、弁護人と審理への準備をします。

略式手続では、説明を受けてその手続に異議がないことを示す場面があります。罰金になれば前科に関わるため、同意する前に内容を確認してください。

略式命令を受けた場合は、告知された日から14日以内に正式裁判を請求できます。届いた書類を放置せず、受領した日も分かる形で保管します。

連絡が来ないときは処分を確かめる

捜査機関から連絡が来ないという事情だけでは、不起訴になったかどうか分かりません。事件の進行や処分の有無を確認する必要があります。

被疑者は、自分の事件が不起訴となった場合、検察官にその旨の告知を求めることができます。弁護士に依頼している場合は、処分状況の確認と告知書の取得を相談してください。

在宅の捜査には、逮捕や勾留に伴う時間制限をそのまま当てはめられません。いつ終わるかを一律の期間で予測せず、現在の段階を確認します。

生活の連絡と弁護の資料を整える

転居や長期の不在の予定があれば、弁護士へ早めに伝えて連絡方法を確認してください。届いた書類や呼出しを確認できるようにしておくことが大切です。

被害者への謝罪や示談を考える場合は、直接連絡する前に方法を相談します。出来事の資料や被害回復の記録を整理し、処分前の弁護活動を検討してください。

在宅の被疑者は、選んだ弁護士に私選で弁護を依頼できます。勾留を前提とする被疑者国選とは利用条件が異なります。

要点の整理

この記事の要点

  • 在宅事件は、身体を拘束されずに進む刑事事件です。逮捕されていないことや釈放されたことだけで、不起訴や無罪が決まったと判断することはできません。
  • 警察などの取調べや資料収集の後、検察官による起訴・不起訴の判断が問題になります。検察官へ事件が送られることと、有罪判決を受けることは別です。
  • 処分が分からないときは、呼出しの有無だけで事件の終わりを推測せず、処分状況を確認します。届いた書類や連絡を保管し、弁護士と確認してください。

よくある質問

帰宅できたら不起訴ですか。

釈放は身体の拘束を終わらせる措置です。事件の処分が確定したかは別に確認する必要があり、起訴される場合もあります。

書類送検されたら前科が付きますか。

検察官へ事件が送られたという段階では、有罪の判断はありません。その後の処分と裁判の結果を分けて確認してください。

連絡がない場合は終わったと考えてよいですか。

呼出しが途絶えただけでは処分を判断できません。検察官が起訴しない判断をしたかなど、現在の段階を確認します。

在宅でも弁護を依頼できますか。

選んだ弁護士へ、捜査中の対応から依頼できます。疑われている内容や、警察と検察から受けた連絡を伝えてください。


弁護士に相談するときに用意するもの

弁護士に相談するときに用意するもの

弁護士に相談するときは、警察や検察からの連絡、既に受けた取調べの内容、事件の資料、釈放時の説明や届いた書類、転居などの予定を用意してください。

本稿は一般的な制度の説明です。個別の事案については資料に基づく検討が必要です。

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