選任の時期と費用を分けて確認します
家族が逮捕されたとき、当番弁護士を呼ぶことと、国選や私選の弁護人を付けることは同じでしょうか。最初に会って助言を受ける仕組みと、継続して弁護を依頼する手続を分けて考える必要があります。
費用だけでなく、今が逮捕中なのか、勾留中なのか、起訴後なのかを確認してください。
この記事の結論
- 当番弁護士は、逮捕された人が早い段階で弁護士に会い、助言を受けるための入口です。最初の接見の後も同じ弁護士が継続するかは、選任の手続を確認します。
- 国選弁護人は裁判所が選任します。起訴前の被疑者国選は勾留との関係で利用条件が定められており、逮捕直後から自動的に付く制度ではありません。
- 私選では自分で弁護士を選んで依頼します。どこまで依頼するかと報酬を確認し、国選の場合にも、費用の最終負担まで必ず無料だとは決めつけないでください。
まず三つの役割を分ける
当番弁護士は、弁護士会を通じて逮捕された人との接見に赴く仕組みです。国選は裁判所による選任、私選は自分で選んだ弁護士への依頼という違いがあります。
| 制度 | 入口 | 継続するときの確認 |
|---|---|---|
| 当番弁護士 | 弁護士会を通じて接見を依頼する | 国選又は私選の選任につながるか |
| 国選弁護人 | 法律の条件に従い裁判所が選任する | 資力・手続の段階・選任の有無 |
| 私選弁護人 | 選んだ弁護士に依頼する | 受任範囲と契約の費用 |
当番弁護士に会うところから相談する
当番弁護士は、本人や家族などの依頼を受けて接見し、事件や取調べについて助言します。継続して弁護を担当する場合は、そのための選任手続が必要です。
広島弁護士会では、同じ事件について初めて派遣を受ける際、当番の接見費用を本人に請求しない扱いです。本人が逮捕中に接見を希望する場合は、警察署や裁判所の職員に取次ぎを求められます。
一度来てもらっただけで、判決までの弁護が自動的に決まるわけではありません。その後の依頼方法と費用を接見の際に相談してください。

起訴前の国選は勾留との関係を確認する
被疑者国選は、勾留状が発せられた被疑者が、貧困その他の理由により弁護人を選任できない場合に、請求を受けて裁判官が付ける制度です。釈放後の被疑者には、この選任制度は利用できません。
勾留を請求された段階から、国選弁護人を付けるよう請求することができます。ただし、逮捕直後から選任される仕組みではありません。
請求には、現金や預貯金などの資産を申告する資力申告書の提出などが必要です。資力が基準額以上の場合に弁護士会への私選選任の申出を求める規定もあるため、収入だけで判断せず、手続を確認してください。
起訴後の国選と費用を確認する
起訴後は、貧困その他の理由により弁護人を選任できない被告人の請求による国選の制度があります。このほか、請求がなくても裁判所が弁護人を付ける場合が法律で定められています。
国選弁護人を自分で自由に指定する仕組みではありません。担当者が決まったら、連絡の取り方や今後の弁護方針を確認してください。
国選の報酬等は国の制度を通じて支払われますが、刑の言渡しを受けた場合には訴訟費用の負担を命じられることがあります。経済的な理由で負担できない場合に関する例外もあるため、必ず無料と決めつけずに確認します。
私選は依頼する範囲と報酬を決める
私選では、依頼する弁護士を選んで弁護人になってもらいます。逮捕されていない被疑者も、弁護人を選任できます。
契約前に、捜査段階だけの依頼か、起訴後も含むかを確認してください。報酬や実費、追加の依頼が必要になる場合を具体的に確認することが大切です。
国選から私選へ変える場合には、私選の選任に伴う国選の解任手続も関係します。現在の選任状況を伝えて、新たに依頼する範囲を相談してください。
要点の整理
この記事の要点
- 当番弁護士は、逮捕された人が早い段階で弁護士に会い、助言を受けるための入口です。最初の接見の後も同じ弁護士が継続するかは、選任の手続を確認します。
- 国選弁護人は裁判所が選任します。起訴前の被疑者国選は勾留との関係で利用条件が定められており、逮捕直後から自動的に付く制度ではありません。
- 私選では自分で弁護士を選んで依頼します。どこまで依頼するかと報酬を確認し、国選の場合にも、費用の最終負担まで必ず無料だとは決めつけないでください。
よくある質問
当番弁護士を呼べば最後まで担当しますか。
初回の相談を受けることと、その後の継続した弁護は別です。担当を続けるか、国選や私選の手続をどうするかを接見時に相談します。
逮捕された時点で国選が付きますか。
起訴前の国選は勾留の段階と結び付いた制度です。逮捕中に助言を受けたい場合は、当番弁護士や私選での依頼を検討してください。
国選なら費用は一切掛かりませんか。
弁護人への支払いは国の制度で行われますが、有罪判決に伴う訴訟費用の負担が問題になる場合があります。資力と判決の内容を確認してください。
在宅事件でも弁護士を付けられますか。
拘束されていない被疑者も、選んだ弁護士へ私選の弁護を依頼できます。呼出しや取調べの状況を伝えて、依頼範囲を相談してください。

弁護士に相談するときに用意するもの
弁護士に相談するときは、本人の氏名、留置先、逮捕や勾留の時期、既に来た弁護士の情報、起訴状などの書類、資力や依頼費用を検討できる資料を用意してください。
本稿は一般的な制度の説明です。個別の事案については資料に基づく検討が必要です。

