家宅捜索を受けたら ― 令状の確認、立会い、押収された物の返還

戸口から外をうかがう年配の女性の白黒写真 刑事事件

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令状の見方から押収品の返還まで解説します

裁判官の令状に基づく家宅捜索は、拒むことができません。令状の記載を確かめ、捜索に立ち会い、押収品の目録を受け取ってください。

この記事の結論

  • 令状には、罪名、捜索すべき場所、差し押さえるべき物などが書かれています。この令状で捜索できる範囲と差し押さえられる物は、この記載で決まります。
  • 住居の捜索には、住居主などが立ち会います。令状に夜間の記載がなければ、日の出前と日没後に住居へ入ることはできません。
  • 押収された物は目録で確かめます。留置の必要がなくなれば還付され、押収や還付への不服は裁判所に申し立てられます。

令状があれば拒めない

家宅捜索は、原則として、裁判官が出した令状に基づいて行う強制の捜査です。住んでいる人が拒んでも、止めることはできません。

令状がなく、任意に「部屋を見せてほしい」と頼まれただけであれば、応じる義務はありません。

ただし、警察官が被疑者を逮捕する場合、必要があれば、逮捕の現場で令状なしに捜索や差押えができます。

令状応じる義務
令状に基づく捜索裁判官が出した令状がある(刑事訴訟法第218条第1項)ある。拒んでも止められない
令状のない任意の求め令状がないない
逮捕の現場での捜索令状は要らない(刑事訴訟法第220条第1項・第3項)ある。逮捕に伴う強制の処分として行われる
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令状で確かめる項目

警察官は、令状を、捜索を受ける人に示さなければなりません。

令状に書かれている主な項目

  • 被疑者の氏名と罪名(どの罪の捜査か)
  • 捜索すべき場所
  • 差し押さえるべき物
  • 有効期間と発付の年月日

捜索できるのは「捜索すべき場所」に書かれた場所で、この令状で差し押さえられるのは、「差し押さえるべき物」に書かれた物です。令状の内容を十分に読めなかったときは、読み上げを頼んでみてください(応じる法律上の義務はありません)。

立会いと時間帯のルール

住居の捜索には、住居主か、その代わりとなる人を立ち会わせなければなりません。その人たちが立ち会えないときは、隣人か地方公共団体の職員が立ち会います。

本人が留守でも、同居の家族などの立会いで捜索が行われることがあります。

令状による住居の捜索では、夜間でも執行できる旨の記載がなければ、日の出前と日没後に住居へ入れません。日没前に始めた捜索は、日没後も続けられます。営業中の旅館や飲食店など、この制限がかからない場所もあります。

実際には、事前の連絡なしに、朝の時間帯に来ることが多いとされています。捜索が数時間に及ぶこともあります。

警察官は、捜索の間、許可のない人がその場所に出入りすることを禁止できます。

カメラを手に持つ人の腕と足元
カメラを手に持つ人の腕と足元

捜索中にしてはいけないこと

捜索をしている警察官に暴行や脅迫を加えると、公務執行妨害罪に当たります。この罪は、警察官の職務が適法に行われていることが前提です。法定刑は、3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です。

警察官が来た後に、物を隠したり、別の場所へ移したりしないでください。証拠を隠したとみられるおそれがあります。

押収された物の目録と返還

物が押収されたときは、目録が作られ、所有者などに交付されます。目録の品目と数量を、持ち出された物と照らし合わせてください。

目録は、後で返還を求めるときにも使います。なくさないように保管してください。

押収された物が戻るまで

留置しておく必要がない物は、事件の終結を待たずに還付しなければならないと定められています。

所有者などは、押収された物を仮に返すよう求めることもできます。

警察官による押収や還付に納得できないときは、裁判所に取消しや変更を求められます。申立先は、その警察官が職務を行う地域の地方裁判所又は簡易裁判所です。

犯罪に使った物や犯罪で得た物は、裁判で没収されることがあります。没収された物は戻りません。

捜索の後に起こること

家宅捜索と同時に逮捕されることもあれば、後日に逮捕されることもあります。逮捕されなければ、在宅のまま捜査が続き、警察から呼出しを受けることがあります。

何も見つからなかった場合でも、捜査が続くことがあります。

被疑者は、逮捕される前でも、いつでも弁護人を選任できます。被疑者の配偶者、直系の親族(親や子など)、兄弟姉妹も、本人とは別に弁護人を選任できます。

一方、弁護人だからといって、警察などが行う捜索に立ち会う権利が法律で認められているわけではありません。

よくある質問

家宅捜索は拒否できますか。

裁判官の令状に基づく捜索は拒めません。令状のない任意の求めであれば、応じる義務はありません。

本人が留守でも家宅捜索されますか。

同居の家族などが立ち会えば、本人が留守でも捜索が行われることがあります。家族などもいなければ、近所の人か自治体の職員が立会人になります。

押収されたスマートフォンはいつ返ってきますか。

留置の必要がなくなれば、事件の終結前でも還付されます。ただし、捜査が終わるまで戻らないこともあります。

家宅捜索の後は必ず逮捕されますか。

捜索と同時に、又は後日に逮捕されることがあります。逮捕されずに、在宅のまま捜査が続くこともあります。


弁護士に相談するときに用意するもの

弁護士に相談するときに用意するもの

物が押収された場合は、受け取った押収品目録交付書を用意してください。

本稿は一般的な制度の説明です。個別の事案については資料に基づく検討が必要です。

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