連絡内容と供述の準備を順に整理します
警察から「話を聞きたい」と連絡が来たとき、まず何を確認すればよいでしょうか。被疑者として呼ばれているのか、参考人として話を求められているのかで、手続上の立場が違います。
呼出しの連絡と事件の資料を整理し、話す内容や調書への対応を弁護士に相談してください。
この記事の結論
- 呼出しを受けたら、日時や場所だけでなく、どの事件についてどの立場で話を聞かれるかを確認します。参考人と被疑者の手続を同じものとして扱わないことが大切です。
- 逮捕や勾留をされていない被疑者には、出頭を断ることや取調べの場所から退去する権利があります。ただし、将来の逮捕がないことを保証する制度ではありません。
- 調書に署名する前に、自分が話した内容が正しく記載されているか確認してください。覚えていない点を推測で補わず、既にした説明や受け取った連絡を残して、取調べ前に弁護士に相談してください。
何の事件についてどの立場で呼ばれたか
呼出しだけでは、どのような立場で話を聞かれるかは分かりません。担当する警察署、担当者、日時、場所、事件の内容を確認してください。
被疑者の取調べは刑事訴訟法第百九十八条、被疑者以外の人から話を聞く手続は同法第二百二十三条に規定があります。疑いを受けているのか、事情を知る人として聞かれるのかを区別します。
| 確認すること | 相談のために整理する内容 |
|---|---|
| 事件と立場 | 何についてどの立場で話を聞かれるか |
| 出頭の予定 | 指定された日時と場所 |
| これまでの説明 | 既に答えた内容と作成された書類 |
| 資料 | 出来事の時期や経過を確認できる記録 |
任意の出頭と逮捕を分けて考える
逮捕又は勾留されていない被疑者は、出頭の求めを断ることや、出頭した後にその場を離れることができます。刑事訴訟法第百九十八条1項が認める権利です。
これに対し、逮捕は法律の条件に基づく身体の拘束です。任意の出頭に応じたことだけで、逮捕されないと保証されるわけではありません。
予定が合わない場合や、出頭の意味が分からない場合は、その連絡内容を整理して弁護士に相談してください。権利の説明と、自分の事件でどう対応するかの検討を分けることが大切です。

話す方針を取調べ前に相談する
被疑者は、自分の意思に反して供述する必要がありません。取調べを始める前に、捜査官はこの権利を告げることになっています。
話すかどうか、話す場合にどのように説明するかは、疑われている内容と資料を踏まえて相談します。何を覚えており、何が曖昧なのかを分けて整理してください。
既に説明した内容や、後から思い出したことがある場合は、それも弁護士に伝えます。相手の説明に合わせるため、覚えていない出来事まで事実として補うことは避けてください。
供述調書は内容を確認してから判断する
取調べで話したことが供述調書に記載された場合、本人に見せるか、読み聞かせることになっています。記載に誤りがあれば、訂正を求めることができます。
話した内容を確認することと、署名・押印に応じることは別です。被疑者は署名・押印を拒むこともできます。
自分の発言の意味が違って書かれていたり、十分に内容を確かめられなかったりした場合は、そのまま署名する前に弁護士に相談してください。
取調べ後の経過と連絡を残す
取調べの日時、聞かれたこと、答えた内容、調書を確認した経過を整理してください。発言を迫られた状況や訂正を求めた点があれば、具体的に弁護士へ伝えます。
帰宅できたことだけでは、捜査が終わったかどうか分かりません。今後の呼出しや届いた書類を確認し、事件の段階を相談してください。
在宅で捜査を受ける被疑者も、弁護人を選任できます。取調べを受けてからだけでなく、最初の呼出しを受けた時点で相談することができます。
要点の整理
この記事の要点
- 呼出しを受けたら、日時や場所だけでなく、どの事件についてどの立場で話を聞かれるかを確認します。参考人と被疑者の手続を同じものとして扱わないことが大切です。
- 逮捕や勾留をされていない被疑者には、出頭を断ることや取調べの場所から退去する権利があります。ただし、将来の逮捕がないことを保証する制度ではありません。
- 調書に署名する前に、自分が話した内容が正しく記載されているか確認してください。覚えていない点を推測で補わず、既にした説明や受け取った連絡を残して、取調べ前に弁護士に相談してください。
よくある質問
呼出しを断ることはできますか。
身体を拘束されていない被疑者については、取調べのための出頭を拒む権利があります。どの手続の連絡かを確認し、具体的な対応を相談してください。
任意と言われたら逮捕されませんか。
任意の出頭と逮捕は異なる手続です。任意の呼出しであることだけを理由に、その後の身体拘束がないと判断することはできません。
質問に全部答えなければなりませんか。
被疑者には、意思に反して供述する必要がないという権利があります。資料と記憶を整理し、話す方針を弁護士に相談してください。
調書への署名を求められたらどうしますか。
まず自分が話した意味と記載が合っているかを確かめてください。被疑者は訂正を求めたり、署名や押印を拒否したりすることができます。

弁護士に相談するときに用意するもの
弁護士に相談するときは、警察から受けた連絡、指定された日時と場所、出来事の経過を確認できる資料、以前に説明した内容、調書を確認した経過のメモを用意してください。
本稿は一般的な制度の説明です。個別の事案については資料に基づく検討が必要です。
