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DV等支援措置の申出の手順、期間、防げないことを解説します
避難先の住所を配偶者に知られたくないときは、市区町村に「DV等支援措置」を申し出ます。認められると、相手から住民票の写しなどを請求されても、市区町村が交付を断ります。
この記事の結論
- 配偶者は戸籍の附票の写しを請求でき、附票には住所が記載されます。住民票を移すと、そこから避難先が分かるおそれがあります。
- DV等支援措置は、警察や配偶者暴力相談支援センターなどに相談したうえで、市区町村に申し出ます。
- 第三者からの請求は一律には断られません。相手の接近を禁じる効力もありません。
- 相談先が分からないときは、「#8008」に電話します。
住民票を移すと、避難先が分かるおそれがある
住所を移したことは、住民票と戸籍の附票に記録されます。戸籍の附票は、本籍地の市区町村が戸籍ごとに作る書類で、住所とその住所を定めた日が記載されます。
住民基本台帳法第20条第1項は、附票に記録された人の配偶者にも、附票の写しの請求を認めています。そのため、何もしなければ、配偶者は附票の写しから新しい住所を知ることができます。
別の市区町村に住所を定めた人は、その日から14日以内に転入届を出すよう法律で定められています。
やむを得ず住民票を移さずに避難した場合でも、児童手当は、暴力を確かめられる資料と、配偶者の健康保険の扶養に入っていないことが分かる資料などを出せば、避難先の市区町村から受け取れます。子どもも、住民票を移さないまま避難先の学校に通う手続があります。
DV等支援措置で、相手からの請求を断ってもらう
DV等支援措置が認められると、相手からの住民票の写しや戸籍の附票の写しの請求、住民基本台帳の一部の写しの閲覧が断られます。除票の写しも対象です。
申し出ることができる人(総務省の案内による)
- 配偶者から暴力を受け、生命や心身に危害を受けるおそれがある人
- ストーカー行為等の被害を受け、さらにつきまとい等をされるおそれがある人
- 虐待を受けた子どもで、また虐待されたり、親などから適切な養育を受けられなくなったりするおそれがある子ども
- これらの人に準ずる人
ここでいう配偶者には、婚姻届を出していない事実婚の相手も含まれます。離婚後に元の配偶者から引き続き受ける暴力も対象です。
申出をする人と同じ住所に住む人についても、あわせて支援措置を求めることができます。
申出は、相談機関への相談から始める
原則として、市区町村に申し出る前に、警察などの相談機関に被害を相談しておきます。
申出から支援が始まるまで
- 被害の内容を、配偶者暴力相談支援センター、警察又は児童相談所に話す
- 「住民基本台帳事務における支援措置申出書」を書き、住民登録をしている市区町村か、本籍を置く市区町村に提出する
- 市区町村が相談機関に意見を求めるなどして、支援の必要性を判断する
- 必要性が確かめられると、市区町村から申出をした人に連絡がある
裁判所の保護命令の決定書の写しや、ストーカー規制法に基づく警告等を実施した書面を出す方法でも、必要性は確かめられます。
申出書の様式は、市区町村ごとに用意されています。窓口に問い合わせて取り寄せます。
支援措置の期間は1年で、延長できる
1年の数え始めは、市区町村が支援の要否を確かめ、その結果を申出者に伝えた日です。
1年を過ぎても支援が要るときは、満了の1か月前になれば延長の申出ができます。延長が認められると、満了日の翌日からさらに1年続きます。
支援措置だけでは防げないこと
相手本人からの請求は断られます。相手以外の第三者からの請求は一律には断られず、写真付きの身分証明書を求めるなど、本人確認が厳しくなります。
相手が第三者を通じて住所を探すことを防ぐため、相手から頼まれた第三者の請求は、請求の理由も厳しく審査されます。住民基本台帳法第12条の3第2項は、弁護士などが依頼者の権利行使のために住民票の写しを申し出る仕組みを定めています。
| DV等支援措置 | 保護命令(接近禁止命令) | |
|---|---|---|
| 申出先 | 市区町村 | 地方裁判所 |
| 止められること | 相手による住民票の写しなどの取得 | 相手が被害者の身辺につきまとうことなど |
| 期間 | 1年(延長できる) | 命令の効力が生じた日から1年 |
支援措置は、相手が近づくこと自体を禁じるものではありません。つきまといなどを止める手段として、地方裁判所の保護命令が別にあります。身体への暴力や生命などへの脅迫を受け、さらに重大な危害を受けるおそれが大きいことが要件です。

避難の相談先
相談先を探すときは、「DV相談ナビ」の「#8008」が便利です。この番号から、近くにある都道府県の配偶者暴力相談支援センターの窓口へ案内されます。受け付けるのは各センターの相談時間内で、IP電話など一部の回線からは利用できません。
配偶者暴力相談支援センターは、相談のほか、緊急時の安全の確保と一時保護、住まいの確保などに関する情報の提供を行います。
夜中や休日に話を聞いてほしいときは、内閣府の「DV相談+(プラス)」が使えます。電話は24時間、365日の受付です。差し迫った危険があるときは、110番に電話します。
よくある質問
DVの支援措置は保護命令が出ていないと申し出られませんか。
申し出られます。保護命令が無くても、市区町村が警察や配偶者暴力相談支援センターに意見を求め、それをもとに判断します。
支援措置をすれば、相手の弁護士にも住所を知られませんか。
相手以外の第三者からの請求は一律には断られません。ただし、相手から頼まれた第三者の請求は、本人確認に加え、請求の理由も厳しく審査されます。
住民票を移せなくても、児童手当や子どもの就学の手続はできますか。
住所を知られるおそれがあって住民票を移せないときも、児童手当や子どもの就学には、住民票を移さずに受けられる取扱いがあります。避難先の市区町村の窓口で事情を話します。

市区町村に申し出るときに用意するもの
保護命令の決定書の写しや、ストーカー規制法に基づく警告等の書面があれば持参してください。
本稿は一般的な制度の説明です。個別の事案については資料に基づく検討が必要です。

